美空ひばり主演、54年作、意外な掘り出し物
ものすごくよく出来ている部分とひどくテキトーな部分が無邪気に混在しており不思議な映像体験
まず「狸の里」と言いながら住民がまったくタヌキっぽい外見をしていない、普通の着物に普通のメイク
敵のコウモリ族は黒い服を着ているが空を飛ぶ素振りも見せない
「放射能の雨(謎の社会派設定、後に伏線回収なし)を防ぐ秘宝『照々大明神』を奪い合う」という設定なのだがコウモリ族は洞窟に住んでおり濡れる心配がないので不自然(劇中で放射能の雨が降るのも「狸の里」)
ずさんな設定が多い一方でカメラやミュージカルシーン、美術の質は高いので批判する気は起きず「そーだよねー」という気分でみれてしまう
大枠のストーリーは「シンデレラ×竹取物語」なのだが途中でコメディアンによるインチキ外国人、歌舞伎の土蜘蛛(多分本職による)、フランキー堺のジャズドラム(この時だけ腹をたたくと音が出るタヌキ設定が登場)、清水の次郎長といった演目が15分づつくらい差し込まれるのでさながら幕の内弁当
ハリウッドでは絶対ない作りだが面白いし、そのすべて対応した演技を見せるひばりは超人
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