海外での評価も高いフィッシュマンズの伝記映画
ボーカルが不審死を遂げたことは知っていたがどういう活動をしていたは知らなかったので面白く観た
フワフワした音楽性とは裏腹にバンドの歴史はボーカル・ソングライターの佐藤さんが独自の音楽性を追求するあまりメンバー・スタッフ・エンジニアがどんどん辞めていくという壮絶なもの
「デビューアルバムから海外録音」「同じ事務所のスピッツが売れたからいきなり専用スタジオ」などバブリーなエピソードには驚く
「WINKの売上でフリッパーズギターのパリロケのPVが撮られた」という逸話があるように余った金が真の芸術を生むというのは事実
バンドはリアルタイムではほとんど売れず(「第二のオリジナル・ラブ」を期待されたという話には笑ってしまった)、佐藤さんは完全に「自分で聴くための音楽」に振り切った制作にシフトしていく
そんな中で「歌詞が4行のシングル」や「1曲40分のアルバム(エンジニアが血の涙を流しながらミックス→離脱)」などが生まれる
結果的にラストライブになった「男たちの別れ」、映像版・音源版が残っているがスゴい緊張感
オリジナルメンバーのベース脱退が決まっておりMCでそのことに触れている「みんないなくっちゃうんだよね」が痛切
2時間以上ある日本語で歌われたライブアルバム「男たちの別れ」がサブスクユーザーの世界総合ランキングで80位になったのは「時間を超えてホンモノが世界に届いた」としか思えないのである
コメント